「心の中の旅」ってなんだろう。第5回世界旅写真展の審査を終えて

先日、BEHIND the GALLERYで開催している第5回世界旅写真展の審査が終わり、入選者10名が決定しました。今回は写真家の水越武先生をお迎えしましたが、一次二次三次…そして最終選考と、すべての審査を終えたあとで水越先生がおっしゃったこの言葉がとても印象的でした。

『「自分の心の中の旅」というものをテーマにした写真がもっと見たかった』

応募してくださった皆様は、それぞれの作品の中でご自身を表現してくださっていたと思います。けれども、水越先生のおっしゃる「心の中の旅」というのは、きっともっと心の奥深く… 写真が好きでシャッターを切っただけでは見えてこないものなんだろうと、その言葉から感じました。

写真はもちろん絵画も詩も音楽も、どんなジャンルであっても《作品を創る》というのは、自分の心とひたすら向き合い続ける作業です。表面だけの楽しさとかそういうことではなくて、向き合い続けることで生まれる苦しみや葛藤を乗り越えた人だけが見える景色というものがあって、それが自ずと作品の深みとして表れてくる。先生はそういうことをおっしゃりたかったのではないかと、私なりに解釈させていただきました。

そうは言っても、自分の心の深い部分と向き合い続けるって並大抵の精神力ではできないことだと思うのです…。私もまだまだ向き合い切れていないんだろうなぁと、自分の作品を見る度にそう感じてしまいます。触れたら壊れてしまいそうな、隅っこにしまっていた繊細な想いまでもを全部掴み出すよう作業なので、苦しくなってつい途中で自分と距離をとりたくなってしまうんです。自己防衛という表現が正しいのかはわかりませんが、とにかく傷つかないために距離をとって自分を守っている感覚とでも言うのでしょうか。作品制作に限って言えば、それは守っているのではなくて逃げているだけなのかもしれませんが、その心と向き合う苦しみの過程で生まれた作品にもきっと少しずつ深みが出てきているのだろうと、そんな未完成の作品を大事にしていくことも含めて、自分の心と向き合うということなのだろうと思います。

今年も1年ありがとうございました。2020年の目標は『自分の心と逃げずに向き合い続けること』にします! みなさまも良い年末年始をお過ごしください ^^