12月の雨


あなたは泣いていました

わたしはその姿を知っていたのに
遠くから見ていることしかできなくて

あなたを慰めるように降るこの雨に
言えなかった言葉を委ねていました

咲くときを待つ蕾たちが
鳥の囀りを合図に
そっと花びらを揺らしたら

わたしはあなたに会いに行こうと思います

はなればなれの間
すべてが色褪せてしまったとしても

雨は一雫の光となって
ゆっくりと大地に染みわたるから

穏やかな喜びを分け合いながら
小さな夢の欠けらを寄せ合いながら
影を並べて歩きましょう

あなたが好きだと教えてくれたあの場所で