しなやか文庫|帆志麻彩
ぽってりとした雲が浮かんでいる 今日は一月なのにあたたかい
永遠の日々が 約束されている人なんて いないというのに
凍り始めた池の水を見ながら
わたしはわたしが作り出した わたしの中のあなたに好きと言って
今日という一日が 穏やかでありますように
花が咲くことは知っていても 花が泣くことは知らなくて
名もない花がつぼみをつけて 雨を愛おしく感じたとき