しなやか文庫|帆志麻彩
訪れるすべてを迎え入れるように
わたしの言葉も あなたの言葉も
そろそろ夏が起床する
主を失くした船が一隻
雲のむこうに 白い光は見えるのに
もしもあなたが
あなたとわたしが交わした 星の数ほどの言葉たち
感情を手放して 世界を手放して
あなたとわたしにひとつ 結び目ができました
自分の過去も、今も、未来も、
ぽってりとした雲が浮かんでいる 今日は一月なのにあたたかい
永遠の日々が 約束されている人なんて いないというのに
凍り始めた池の水を見ながら