あなたは泣いていました
わたしはその姿を知っていたのに
遠くから見ていることしかできなくて
あなたを慰めるように降るこの雨に
言えなかった言葉を委ねていました
咲くときを待つ蕾たちが
鳥の囀りを合図に
そっと花びらを揺らしたら
わたしはあなたに会いに行こうと思います
はなればなれの間
すべてが色褪せてしまったとしても
雨は一雫の光となって
ゆっくりと大地に染みわたるから
穏やかな喜びを分け合いながら
小さな夢の欠けらを寄せ合いながら
影を並べて歩きましょう
あなたが好きだと教えてくれたあの場所で