銀色の海


主を失くした船が一隻

陽の光が作り出す銀色の海を
ゆっくりと進む音は

喪失的な美しさを纏いながら
空と水の間を跳ねる

遠くからきた鳥たちは
風が吹くたび
譜面の上を舞っている

まるで奏でる夢想のように

滴り落ちる水滴はまた
航路を変えて
きらきらと輝いていた