嬉しいときも悲しいときも、人はどうして海をみたくなるのだろうか。耳に心地よく触れる波音に心を委ねながら、そんなことを考えていた。季節や時間で表情を変える姿は儚くも美しい。それでいて、いつも変わらず同じ場所にいてくれる安堵感が人をそうさせるのかもしれない。
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寄せては返す波を眺めながら海と風が織りなす歌を聴いていると、潮の香りを纏った風が安らぎを運んできた。ときに波音もなく穏やかに凪いでいる海は、風との触れ合いを静かに楽しんでいるようにも思える。
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波は海の旅人のよう。どこまでも繋がる遠くの世界を知りたくて、今日も風と遊びながら消えてゆく。 [All photos by Kazashito Nakamura]
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