上質な芸術空間が教えてくれる
「日常」にアートがある喜び
まるで美術館やギャラリーのような静寂にゆっくりと心がときほぐされていく。そんなホテルが、箱根・仙石原の地にオープンしたのは2016年末のことだ。モダンな外観からはもちろん、ホテルから望める箱根山最高峰の神山と富士山の頂きにも期待感がふくらんでいく。
出迎えてくれるのは、神山を思わせる大きな石。夜にはライトアップされる。
エントランスに足を踏み入れると、そこに広がるのは、ピカソやミロ、片岡球子などの豪華な絵画のコレクションだ。館内には個性的な調度品をはじめ、リトグラフとオリジナルが混在した百点以上の美術品が飾られており、エレベーターや廊下、寝室など、いたるところでアートと出会うことができる。その最たるものが、ここ「ザ・ひらまつホテルズ&リゾーツ仙石原」ならではの贅沢とも言える「名画を楽しみながら美食をいただけること」だろう。どこまでも広がる上質な芸術空間は、美術館よりも身近に感じられ、アートが日常にある生活の喜びを再発見させてくれる。
一泊で一生に残る経験を
この上ない時間にであう
雄大な自然の息吹を感じられる静かなリゾート地に佇む「ザ・ひらまつホテルズ&リゾーツ 仙石原」は、ひらまつが展開するリゾートホテルの3軒目として誕生した。内装及び建築ディレクションはグラマラスの森田恭通氏が担当。天然大理石のトラバーチンやイタリアの漆喰塗装を用いて、素材を生かしながらも洗練されたラグジュアリーな空間に仕上げている。
上|富士の頂きを眺めながらの朝風呂はまさに至福のひととき。 下|テレビは扉で隠すなど見えないように工夫されており、どの客室も細部にまでこだわりが詰まっている。
客室はテラスと中の境界を取り払ったようなデザインで、ベッドルーム、室内に半露天風呂を設えたバスルーム、テラスが一体となっている。大きくとられた窓から見渡せる景色も、絵画のように美しい。気分を一層盛り上げてくれるのは、すべてにおいて「本物」にこだわったというインテリアや家具、調度品の数々。客室にいながらにして、悠久の時を旅しているかのようだ。部屋ごとに設えやアートが異なるため、宿泊する度に違った雰囲気を楽しむことができる。ゲストを飽きさせないアートのおもてなしもまた、ひらまつならではの心遣いだ。
左|廊下からガラスで隔てらた空間の先に部屋への入口があり、非日常を演出してくれる。 右|プライベートが守られた客室は、誰にも気兼ねすることなく過ごすことができる。
全室半露天風呂付、3タイプの11部屋
56、79、91平方メートルの3タイプからなる客室は、わずか11室のみ。「一人ひとりに寄り添い、行き届いたサービスを提供するため」という言葉からは、ひらまつのこだわりが伝わってくる。全室に引かれている源泉掛け流しの温泉風呂は、美肌の湯とも言われる無職透明の単純泉姥子温泉と、白濁したにごり湯の大涌谷温泉(噴火により停止中。2017年内に一部客室で再開予定)を部屋ごとに楽しむことができる。1階の客室では手入れの行き届いた和風庭園を眺め、2階3階客室では数々の連邦や箱根外輪山、富士山に心を和ませながら箱根の名湯に浸る。季節ごとに表情を変える仙石原の自然の中で、都会とは違う澄んだ空気を吸い込めば、身も心も静かに癒やされていくだろう。慌ただしさとは無縁の空間は、大人にだけ許された珠玉の隠れ家だ。
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1245-337
電話:0460-83-8981
ステイ:1泊2食付・2名利用時 2名利用時1人価格:¥49,000〜(2017年4月現在) ※入湯税 / 消費税 / サービス料別
ビジターレストラン ディナーコース:¥12,000 / ¥20,000 ※消費税 / サービス料15%別 / 要予約
アクセス:Google map
[All photos by Kazashito Nakamura]
– 2017年5月 / APART JOURNALで執筆した記事より –
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