やわらかくほどける
ササニシキのおにぎりと
優しい味わいのスープに癒されて
清澄庭園に沿って歩くと見えてくるCafe 清澄は、母と子の親子で営んでいる。この辺りは下町で古い家や倉庫が多い。元々お母様のご実家だったという建物はおよそ築80年。店内は白と茶で統一されたシンプルなインテリアで、光がたっぷりと入る心地よい空間だ。あえて窓向きに座って、清澄公園の緑と木漏れ日を楽しむのも良さそう。「近所の方がちょっとおしゃべりしたり、一休みできるところを作りたかったんです」と話すのは、娘の小林えり子さん。数時間があっという間に感じてしまうほど、穏やかで優しい空気が流れている。
珈琲はサイフォンで入れてくれる。シフォンケーキやフォンダンショコラなどもあるので、午後のティータイムにも利用したい。
今では定番メニューになっている「おにぎりとスープのセット」は、「食事をとりたい」というお客様の声で始まったのだそう。具沢山の日替わりスープがついて600円という良心的なお値段。なぜおにぎりなのか尋ねると「パンは好みが分かれるけれど、おにぎりはみんな好きだと思うんです」と答えてくれた。新潟ご出身のお母様が選んだこだわりのササニシキで作られたおにぎりは、やわらかく上品な味わい。どこか懐かしくほっとできる味も、再訪してしまう理由のひとつだ。
オープンしてからまる2年が経ち、この頃はえり子さん自身もここにいるのが自然になってきたという。「今のまま穏やかな時間が流れるように続いていけばいいなと思っています」と話す表情はとても柔らかかった。「あまり特別なことをしない」というこだわりが、誰でも立ち寄りやすい雰囲気を作り出しているのだろう。
店内には至るところに動物モチーフの雑貨が隠れている。「こんなところにも!」という発見が楽しい。
写真集・雑誌・漫画・絵本など、誰が訪れても楽しめるラインナップになっている。
えり子さんが子どもの頃読んでいた絵本も置いてある。おとぎばなしの人物へお手紙を配達するゆうびんやさんのお話は、大人が読んでも面白い。
– 2017年5月 / APART JOURNALで執筆した記事より –
[All photos by Kota Fukasawa]
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